ヴィヴァルディの「春」


ヴィヴァルディの「春」作曲されてから300年近くたつ今も愛されているこの曲の本当のすごさが明らかに

ヴィヴァルディ

満喫♥イタリアの春

イタリアが生んだ大作曲家ヴィヴァルディ。

その代表作がバイオリン協奏曲集「四季」です。

「春」「夏」「秋」「冬」という4つの曲からなり、それぞれ3つの楽章があります。実はこれらの曲には、それぞれ楽章ごとに「ソネット」と呼ばれるヨーロッパ伝統の詩が添えられています。「春」には、小鳥が楽しい歌をさえずり、泉がやさしく流れる情景が描かれています。喜びにあふれたイタリアの春の情景が、詩と音楽によって表現されているんです。

 

元祖アイドルグループ プロデューサー!?

水の都ベネチアで生まれたヴィヴァルディは、身寄りのない子どもたちを預かるピエタ慈善院という施設で、少女たちに音楽を教える先生となりました。少女たちによる演奏会は評判を呼び、ヨーロッパ中から聴衆が詰めかけるほどに。アイドルのような人気を得た少女楽団を足がかりとして、ヴィヴァルディは作曲家としての成功をつかんでいきました。

「四季」は、そんなピエタの少女たちが演奏することによって人気曲になったと考えられています。少女たちの存在なくして、ヴィヴァルディの音楽が生まれることはなかったのです。

 

効果満点!バイオリン・マジック

「春」の第1楽章の聴きどころは、冒頭の有名なメロディーが何度も繰り返される、その合間にあります。

楽譜に「鳥の歌」と書き込まれた部分では、小鳥が鳴き交わす様子を3つのバイオリンが表現。サラウンド効果を計算した絶妙なアンサンブルで、聞き手を小鳥の森へと導きます。そして、「嵐」の場面ではソロ・バイオリンが大活躍。それはまさに、バイオリンの名手であったヴィヴァルディだからこそ作ることができた音楽でした。