ベートーベン「エリーゼのために」


楽聖が愛した女

エリーゼとは誰か?いまだ明らかになっていないミステリー

恋多き男としても知られたベートーベンの「女性たち」を通じて彼の人間像に迫る!

 

恋する楽聖

交響曲「第9」や「運命」など感動に満ちた作品を数多く生み出し、音楽を芸術にまで高めたベートーベンはたびたび「楽聖」と呼ばれます。その一方で、ベートーベンの恋愛にも注目が集まっており、そこから彼の人間性をうかがい知ることができます。ふつうの庶民だったベートーベンは伯爵令嬢や貴婦人などの女性を特に好み、身分不相応な恋をしてきました。ピアノの教え子ヨゼフィーネとは長きにわたり深い関係にあったと言われています。しかし、彼の恋は決してハッピーエンドには至りませんでした。彼の恋愛事情を芸能リポーターの東海林のり子が斬りこみます!

 

エリーゼとは誰か?

エリーゼという女性を思い作られたといわれる「エリーゼのために」。しかし、そのエリーゼが誰なのかは明らかになっていません。エリーゼとは誰か?世界中の音楽者が注目するそのミステリーが今まさに活発化してきました。最も有力な説はイタリアの女性テレーゼ・マルファッティです。およそ100年にわたって支持されてきました。しかし、2010年その説に待ったをかけた人物が現れました。ドイツの音楽学者が唱える新たな「エリーゼ」とは?

 

散りばめられた恋の旋律

ミレミレと特徴的な旋律で始まる冒頭。単独の旋律が何かざわめきを感じさせます。また、この曲は右手が旋律を弾き終わると、その続きを受け渡すかのように左手が旋律を弾き始めます。まさにエリーゼが語り、ベートーベンが応えるかのような会話がこの曲には見られるのです。終盤に見られる連打はまるで胸の高鳴りを表現しているかのよう。二人の語らいをイメージしながら聴いてみてはいかがでしょう。