新印象派/後期印象派

新印象(ネオ印象派) 

 印象派の特徴は光の捉え方(色彩分割)にある。画面を一様に塗るのではなく、光を捉えるために筆跡を短くして色を塗り重ねた。その後、印象派の手法は点描画へと発展していく。点描画は「ネオ印象派(新印象派)」と呼ばれ、ネオ印象派の代表的な画家はスーラが創立者である。スーラは1886年に代表作「グランドジャット島の日曜日の午後」で点描画を完成させた。光の捉え方を理論化し、点描法による色彩理論を押し進めたのである。

 印象派の光の捉え方としてネオ印象派の点描に至るが、その結果、対象物の形がおろそかになうという袋小路に入ってしまう。また科学的になりすぎたため、情緒性が失われた。

 しかしならがら、点描画は今日、コンピュータや液晶テレビなど多くの生活に不可欠な理論になっている。端的に言えば、「点描画は正しいが、解像度が低すぎたのである」。

フランスのネオ印象派の画家を以下に示す。

 ジョルジュ・スーラ、ポール・シニャック、カミーユ・ピサロ、アンリ=エドモン・クロス、マクシミリアン・リュス
 当時のネオ印象派の点描画は、手法に力点がおかれているため、表層的にすぎると批判され、さまざまな画家が独自路線を追求していたがフランスでは定着しなかった。

 ネオ印象派はベルギーやスペインなどの国で受け入れられ、ベルギー・オランダのネオ印象派には次のような画家がいる。
 ヤン・トーロップ、ヘンリ・ファンデ・フェルデ、ジョルジュ・モレン、テオ・ファン・レイセルベルへ、ジョルジュ・レメン
 ネオ印象派とは言ってもトーロップはどちらかというと象徴派のような絵が多く、フェルデはアール・ヌーヴォーの建築家です。アール・ヌーヴォーという言葉はフェルデの作品を形容するためにできた。

後期印象派(ポスト印象派

 ポスト印象派は印象派の時代のうちの後期に属するものと連想しがちであるが、ポスト印象派は「印象派の後にフランスを中心として活躍した画家たち」を指す便宜的な言い方である。印象派の様式の共通性は希薄で、それぞれの画家の画風は大きく異なる。ポスト印象派の共通点は、画家独自の視点に立ち、自分たちの美学を追求する姿勢にある。派閥としての様式的な結びつきは希薄である。写実主義に対する反動から「ポスト印象派」と呼ばれることもある。一般的にはゴッホ、ゴーギャン、セザンヌなどを指す。