真夏の夜の夢

「真夏の夜の夢」はメンデルスゾーン作曲の「夏の夜の夢」に、フレデリック・アシュトンが振り付けたバレエ作品。

英国ロイヤル・バレエにより1964年に初演された。ABT(アメリカン・バレエ・シアター)での初演は2002年。

 

 

原作はシェイクスピアによる16世紀後半の戯曲「夏の夜の夢」。全5幕からなり、アテネ近郊の森に足を踏み入れた貴族や職人、森に住む妖精たちが登場する。

ちなみに、メンデルスゾーン作曲『夏の夜の夢』の中で演奏される「結婚行進曲」は、その名の通り結婚・ブライダルに関連して、BGMとして単独で演奏・使用されることが多い。

 

 

あらすじ

アセンズ公シーシアス(テセウス)とアマゾン国のヒッポリタとの結婚式が間近に迫っていた。貴族の若者ハーミアとライサンダーは恋仲であるが、ハーミアの父イージアスはディミートリアスという若者とハーミアを結婚させようとする。ハーミアは聞き入れないため、イージアスは「父の言いつけに背く娘は死刑とする」という古い法律に則って、シーシアスに娘ハーミアを死刑にすることを願い出る。シーシアスは悩むものの、自らの結婚式までの4日を猶予としてハーミアへ与え、ディミートリアスと結婚するか死刑かを選ばせる。ライサンダーとハーミアは夜に抜け出して森で会うことにする。

んハーミアがこのことを友人ヘレナに打ち明けると、ディミートリアスを愛しているヘレナは二人の後を追う。ハーミアを思うディミートリアスもまた森に行くと考えたからだ。

 その頃森の中では,、妖精王オーベロンとその妻の女王タイターニアが、美しいインドの少年をめぐって喧嘩をし、仲違いしていた。機嫌を損ねたオーベロンは妖精パックを使って、タイターニアのまぶたに花の汁から作った媚薬をぬらせることにする。この媚薬はオーベロンの魔力によって作られた強力なもので、目を覚まして最初に見たものに恋してしまう作用がある。ところが、パックは森で眠っていたライサンダーたちにもこの媚薬を塗ってしまう。媚薬のせいで、ライサンダーとディミートリアスがヘレナを愛するようになり、4人の関係があべこべになってしまう。さらに、パックは森に来ていた職人のボトムの頭をロバに変えてしまう。目を覚ましたタイターニアはこの奇妙な者に惚れてしまう。

とりかえ子の問題が解決すると、オーベロンはタイターニアが気の毒になり、ボトムの頭からロバの頭をとりさり、タイターニアにかかった魔法を解いて二人は和解する。

また、ライサンダーにかかった魔法も解かれ、ハーミアとの関係も元通りになる。一方、ディミートリアスはヘレナに求愛し、ハーミアの父イージアスに頼んで娘の死刑を取りやめるよう説得することにする。これで2組の男女、妖精の王と女王は円満な関係に落ち着き、6人の職人たちもシーシアスとヒッポリタの結婚式で無事に劇を行うことになった