マノン

マノン

 アベ・プレヴォの小説「マノン・レスコー」に、ケネス・マクミランが振付を行い、1974年に英国ロイヤルバレエで初演された。

 一般的には「マノン」といえば、プッチーニやマスネのオペラ曲のほうが有名であるが、音楽は既存のオペラの曲を使わず、マスネの様々な楽曲から編成されている。

 

あらすじ

1幕

 中庭。舞台は、18世紀パリ、マノンは修道院にいくため田舎からでてきた途中で兄レスコーに会う。レスコーは妹を使って金持ちから金を巻き上げようとたくらむ。しかしマノンは、そこで神学生デ・グリューと出会い恋に落ちる。マノンとデ・グリューは、2人で駆け落ちする。

 場面が変わり2人の寝室。デ・グリューは手紙を書いている。マノンとデ・グリューは二人で踊る(寝室のパ・ド・ドゥ)。デ・グリューが出かけた隙にレスコー、金持ちのムッシューGMを連れてやってくる。GMはマノンに宝石と毛皮を贈る。マノンは贅沢に目がくらみGMの元へ行く。マノン、GM、レスコーで踊る、3人の思惑が絡みあうかのような振付が面白い。

 

2幕

 娼館に娼婦たちや男たちが集まり饗宴が開かれている。酔ったレスコーとデ・グリューもそこにやってくる。そして、GMがマノンを連れて登場する。レスコーと愛人の酔っ払いのパ・ド・ドゥ。酔ったように見せながら、きっちりと振付けをこなさないといけないののがなかなか難しい。男たちの間を、高く低くリフトされていくマノンは、彼女の人生そのもののようです。

 デ・グリューは、マノンに自分の元に戻るように懇願するが、マノンはいかさま賭博でGMの金を巻き上げるようにデ・グリューをそそのかす。デ・グリューはいかさま賭博をしてしまうが、それがばれてしまい、マノン、デ・グリューはそこから逃げ出す。

 場面が変わり、マノンとデ・グリューの部屋。荷造りをしていると、そこにレスコーを捕らえたGMがやってくる。レスコーは殺されマノンは捕らえられてしまう。

 

3幕

 アメリカ。マノンは罪人としてアメリカに流刑になる。マノンを追って、デ・グリューもいっしょにアメリカに渡る。看守がマノンを陵辱しする。デ・グリューは、看守をナイフで刺してしまい、二人はアリゾナの沼地に逃げる。沼地の逃亡で、マノンは力尽きてしまう。過去の幻影を観ながら、デ・グリューの腕の中で息絶える。最後の沼地のパ・ド・ドゥでは、ボロボロになりながら、デ・グリューにすがるマノンの姿に泣けてきます