コッペリア

コッペリア

コッペリアは、フランス・ロマン派の作曲家レオ・ドリーブによるバレエ音楽・バレエ作品。パリのオペラ座で1870年に初演された。バレエの振り付けはアルトゥール・サン=レオン。台本のストーリは、ドイツの小説家E.T.A.ホフマンの物語『砂男』に基づく。ホフマンの『砂男』は、人形に恋した男の狂気性を前面に押し出した物語だが、『コッペリア』はその狂気性を抑え、陽気で明るい喜劇として再構成されている。

 

人形作り職人コッペリウス博士とは?

ストーリーの舞台は、ポーランドのガリツィア地方(現ウクライナ領)。

天才的な人形作り職人のコッペリウス博士は、本物の人間そっくりな機械人形の少女コッペリアを作り上げた。あまりにも人間そっくりなため、村の青年フランツは、人形コッペリアに恋をしてしまう。不安になる婚約者スワニルダ。彼女はコッペリアを一目見ようと、友人達と博士の家に忍び込んだのだが・・・

 

あらすじ

 

 

コッペリア(全3幕)

 

第1幕

陰気で気難しい老人コッペリウス博士

人形作り職人のコッペリウス博士は、陰気で気難しく、村人から変人扱いされていた。彼の家の2階では、コッペリウスが作ったからくり人形の可愛い少女コッペリアが座って本を読んでいる。

向いに住むスワニルダは、明るく無邪気な人気者の少女。村の青年フランツとは恋仲だが、近頃フランツはコッペリアが気になる様子。不安になるスワニルダ。フランツとスワニルダは恋占いをしてみたが、愛の証は見つからなかった。二人はとうとう喧嘩して婚約を解消してしまう。

 夕方になり、街へ出かけようとしたコッペリウス博士は、村の若者達にいたずらされる。博士が落とした家の鍵を拾った少女スワニルダと友人たちは、好奇心からコッペリアに会いに行くことを思いつく。

第2幕

家に忍び込んだスワニルダと友人たちは、人形たちをもの珍しそうに眺め回す。コッペリアが実は人形であることを知るスワニルダ。帰ってきたコッペリウス博士が若者達を追い払うが、逃げ遅れたスワニルダはカーテンの奥に身を隠す。そこへフランツも、コッペリアにひと目会おうと梯子を使って窓から忍び込んでくる。コッペリウス博士は、カンカンに怒るが、ふとあることを思いつく。彼はかねてから愛しい人形コッペリアに命を吹き込んで、生きた少女にしたいと思っていた。そこでフランツを酒で酔わせ、命を抜くことを計画する。

 計画通りフランツを眠らせたコッペリウス博士。コッペリアを取り出そうとするが、実はこの人形は変装したスワニルダだった。彼女はコッペリウス博士をからかって、命を吹き込まれた人形を演じた。やがて目が覚めたフランツは、自分が好きだったコッペリアがからくり人形であったことに気が付いて、スワニルダと仲直り。コッペリウス博士は、大切に作った人形をスワニルダに壊され悲嘆にくれる。

第3幕

 祭りの当日。フランツとスワニルダは仲直りをして、めでたく結婚の日を迎えた。村では祝いの余興が始まり、時の踊りや結婚の踊りなどが繰り広げられ、賑やかな全員のギャロップで幕となる。