フィリッパ・ジョルダーノ

フィリッパ・ジョルダーノ
 聴くものを虜にして骨抜きにする甘美な声を持つ。フィリッパ・ジョルダーノ。1974年生まれだが、デビュー当時からの美しさは輝きをましている。
 バレンタイデーに、イタリアのシチリア島パレルモで生まれる。父も母も祖父に兄や姉までも音楽家という音楽一家に育ち、母親から歌の手ほどきを受け、5歳の時にはローマに移住。クラシック音楽とともにクラシック・ダンスを習い始め、9歳でイタリア国立ダンス・アカデミーに特待生として迎えられる。父の所属するオペラ・カンパニーの演奏旅行に同行しオペラ歌手の道を志すかたわら、ポピュラー音楽にも関心を抱いているうちにスカウトされ、デビューした。
 デビュー翌年にはサンレモ音楽祭に出場し、新人部門で第2位を受賞。同年の10月にはバチカンのサン・ピエトロ広場で行われたミレニアム前年祭で当時のローマ法王、ヨハネ・パウロ2世を含む15万人の観衆の前で「アヴェ・マリア」を歌う。
 日本でも、資生堂の「プラウディア」のTVCM曲に「ハバネラ(カルメン)」が使用された。美声だけではなく、ハバネラではコケティッシュにして瑞々しく、その甘美な毒にみずから溺れたくなるようにさせる。ローマ法王の前で披露したアヴェ・マリアでは一転して、自らの過ちを、涙を流しながらさらけ出したくさせる。
 彼女の声は、聴くものを虜にして骨抜きにする、立派な武器である。その上顔は天女のように美しく、身体はそのゆたかな声がどこからでてくるのかと疑いたくなるくらい、ほっそりとしている。
 貴方が女性ならば、彼女の姿を見て声を聞きおおいに驚き。貴方が男性ならば、その姿に魅了されることであろう。そ地上に彼女をつかわしてくれた神に感謝したくなる。