老人相手の主婦売春

【老人相手の主婦売春】昭和62年(1987年)

 売春は世界最古の商売と言われているが、驚くような新手の売春クラブが摘発された。昭和62年9月11 日、大阪府警は独り暮らしの高齢者を相手に売春目的で主婦を紹介していたデートクラブ「ファミリー青山」を摘発した。「ファミリー青山」の経営者・麻生敏子(39)は半年間で900万円を稼いでいて売春防止法違反の疑いで逮捕された。麻生敏子は大阪の繁華街十三で自ら売春を行っていたが、その後「ファミリー青山」を設立。客は60歳から70歳が中心で摘発までに延べ400人が利用し、最高齢は81歳であった。売春を行ったのは中年主婦約50人で、売春の経験のない離婚した女性が多かった、高齢化社会、増える離婚を背景にした新種の売春であった。新大阪駅近くのマンションにクラブを開き、1回(2時間)2万3千円で客を取り、このうち7千円をクラブに納めることで、主婦と契約をしていた。スポーツ紙に「熟女募集」の広告を出して主婦を集め、「熟女ご紹介します」で客を勧誘していた。

 客は妻に先立たれた独り暮らしの会社員が多く、利用老人は「特殊浴場に行っても若い娘は不親切で、ここを利用していた」と述べ、主婦らと交際するだけで満足していたお年寄りも多くいた。相手をした主婦は生活費や子供の学費のため、普通のパートより短時間で稼げるために応募してきた。顧客名簿には客の好みが書かれていて、麻生敏子はポケットベルを使って主婦と連絡を取っており、営業時間は主婦の外出しやすい昼から夕方であった、

 客は高齢者だけで、高齢者であれば口が固く、摘発さないだろうとの読みがあった。需要があるので供給があるのであるが、老人の性的機能は分からないが、老人といえども性的欲求はある。また性欲を満足させる権利は誰にでもあるはずで、この事件をシルバー売春と笑ってしまってはいけない。