医師による殺傷事件

【医師による殺傷事件】 昭和63年(1988年)

 昭和63年4月24日、午後8時50分ごろ、仙台市台原の東北労災病院の駐車場で、男たちがケンカをしていると110番通報があった。仙台北署員が駆けつけると、同市の無職村山秀和さん(20)と金融業手伝い伊藤喜章さん(21)の2人が、血だらけになって倒れていた。2人は病院に収容されたが、村山さんは左胸をナイフで刺され死亡。伊藤さんも下腹部を刺されて重体であった。

 まもなく東北大医学部付属病院第三内科の医師Y(31)が現場に戻り、「私がやった」と名乗り出たため、殺人の疑いで緊急逮捕となった。ケンカの原因は、駐車場に入れようとしたYの乗用車と被害者らの車が接触しそうになったことから口論。Yが持っていたナイフで刺したのであった。

 Yは東北大医学部を卒業後、東北労災病院を経て、同大第三内科に入り、身分は医局員であった。Yはかつて暴走族に襲われたことがあり、そのために護身用にナイフを持っていたのである。Yは仙台高裁で懲役4年の刑が確定し、医師免許の取り消し処分となった。