BCG誤接種

【BCG誤接種】昭和35年(1960年)

 昭和35年5月29日、大阪府堺市で行われたツベルクリンの集団接種で、誤ってBCGを接種し、接種を受けた児童102人が化膿したことが判明した。患部のウミから結核菌を含む抗酸菌が検出され、異常を訴えた児童を対象に、抗結核剤を投与する治療が始められた。

 同じようなBCG誤接種は昭和62年6月24日、福岡県久留米市立日吉小学校でも起きている。注射を受けた児童32人のうち22人が腕のはれ、痛み、ただれを訴え、うち1人が発熱して入院した。ツベルクリン注射を担当した医師(45)がBCG接種と間違えて接種したのである。また平成5年5月29日、奈良県十津川村でも同様の事件が起きている。村営上野地診療所の医師(48)がツベルクリン液と間違ってBCG液を注射し、幼児と中学生計5人の腕がはれ上がり入院となった。

 BCGに用いられる牛型結核菌は毒性を弱めており、局部的な症状で終わるのが普通である。まれではあるが全身に結核菌が広がり、潰瘍ができたり、リンパ節がはれたりすることがある。