広島原爆病院開院

【広島原爆病院開院】昭和31年(1956年)

 昭和31年9月11日、広島市千田町の広島赤十字病院の構内に日本赤十字広島原爆病院が建設され開院式が行われた。広島原爆病院は被爆者の健康管理、診断と治療のために設立され、原爆被爆者のための拠点病院となった。

 当時は原爆被爆者に対応できる専門の診療機関がなかった。広島原爆病院は鉄筋コンクリート3階建て120床の病院で、内科、外科、皮膚科、レントゲン科が設置された。10日間で301人が受診し、37人の患者が白血球減少を指摘され要注意観察となった。

 広島原爆病院は、昭和29、30年度の「お年玉付き年賀はがきの分配金」で建設され、その後、広島赤十字病院と合併し、広島赤十字・原爆病院と名称を変えたが、現在でも広島市南部の中核病院として多様化する被爆者の需要に応じている。

 お年玉付き年賀はがきの寄付金がどのように使用されているかを知る人は少ないだろうが、このように原爆病院設立の役に立っていたのである。