C型肝炎

【C型肝炎】

 第五福竜丸の無線長、久保山愛吉さんが被爆から半年後に死亡。残りの乗組員は放射能障害から回復して1年2か月後に退院した。だが大量の輸血を受けた乗務員は放射能障害に加え、輸血による肝障害に苦しめられることになる。輸血の際に混入したC型肝炎ウイルスが乗組員の肝臓に潜伏し、30年を経過したころから肝硬変、肝がんという致命的なダメージを与えたのである。

 その後、死亡した乗組員は、久保山さんを除いた10人で、肝硬変、肝がんを発症しての死亡だった。残る12人のうち半数以上が肝機能障害を抱え、肝がんの恐怖と対峙(たいじ)している。乗組員のなかで肝機能が正常だったのは1人だけであった。