人工心肺による心臓手術に成功

【人工心肺による心臓手術に成功】昭和28年(1953年)

 昭和28年5月6日、アメリカ・フィラデルフィアのジェファーソン医大病院で、ジョン・ギボン博士が人工心肺を使った初めての心臓手術に成功した。

 心臓手術は、心臓をいったん患者から取り出し、心臓の鼓動を止め肉眼で確かめながら行うため、心臓の代わりに全身に血液を送り出す装置が必要だった。そのために開発されたのが人工心肺装置である。人工心肺とは心臓の代わりに全身に血液を送り、肺の代わりに血液を酸素で満たしてくれる装置である。

 この人工心肺は、心臓は止まっていても身体は死なない装置で、他の臓器に大きく遅れをとっていた心臓の手術が可能になった。人工心肺を用いた世界第1例は先天性心房中隔欠損症の17歳の男性患者で、術後は順調に経過し、手術8日後に退院となっている。