ベビーブーム

【ベビーブーム】昭和23年(1948年)

 徴兵されていた男性が外地から日本に復員し、昭和22年頃から出生率が驚異的に上昇してピークに達した。この3年間に生まれた国民は800万人に達し、年間260万人から270万人の赤ちゃんが誕生した。

 この時期は後に第一次ベビーブームと呼ばれ、作家の堺屋太一はこの世代を「団塊の世代」と名付けた。その当時の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子供の数)は4.54であったが、10年後には2.22、平成11年には1.34に低下している。

 当時の出生率が現在の3倍以上であったことから、いかにベビーブームがすさましいものであったかが想像できる。また合計特殊出生率が2.1以下になれば人口が減少することから、いかに現在の合計特殊出生率が低値であるかが分かる。

 団塊の世代は、その巨大な人口構造により戦後65年の間、さまざまな形で社会に変化をもたらした。青年期には激しい受験戦争と学園紛争を引き起こし、企業戦士として高度経済成長をつくり、次ぎに老齢化社会をつくった。

 このように団塊の世代は、時代の流れとともに日本社会に大きな社会現象を引き起こし、また日本の社会構造そのものを変えていった。団塊の世代の女性が母親となった昭和47年前後が第二次ベビーブームである。