ジャクソン・ポロック


ジャクソン・ポロック( 1912年 〜1956)

(Jackson Pollock)は「アクション・ペインティング」の代表的な画家である。アメリカのワイオミング州で生まれ、ロサンゼルス、次にニューヨークで絵を学んだ。

 1935年から公共事業促進局の連邦美術計画の仕事についた。これはニューディール政策の一環として、新進の画家たちに公共建築の壁画や作品設置などを委嘱するもので、後に有名になる若い画家たちが参加した。

 ここでメキシコ壁画の作家シケイロスの助手を務めた。そして巨大な壁という広い空間に、絵筆ならぬスプレーやエアブラシで描く現場に衝撃を受けた。

 ポロックは大きなキャンバスに、即興的にエネルギッシュに絵を描く技法を用いた。無意識に描いているようだが、絵画としてそれなりの絵画に見える。このアクション・ペインティングという技法は、キャンバスにきちんと形を描くのではなくて、上から顔料を落としたり、派手に飛ばしたりして、その行為の中に自らを同化させ抽象的に表現する方法であった。ためらいなくキャンバスに絵具を叩きつけているように見えるが、意識的に絵具のたれる位置や量をコントロールしているとされている。

 1956年若い愛人とその友人を巻き添えに自動車事故を起こし44歳で死亡。ポロックの生涯は、「ポロック 2人だけのアトリエ」(2000年)として映画化されている。