「柔」(やわら)作詞:関沢新一,作曲古賀政男は1964年に発売された美空ひばりのシングルである。
 美空ひばりは表題曲で1965年の「第7回日本レコード大賞」を受賞した。またひばりは、『NHK紅白歌合戦』に1964年の『第15回NHK紅白歌合戦』、翌1965年の『第16回NHK紅白歌合戦』と2年続けて表題曲で出場し、どちらも紅組トリを務めた(1965年・第16回は大トリ)。なお、これに関し各マスコミから「2年連続同じ歌を歌うとは非常識だ」とのバッシングもあった。表題曲が発売された1964年に開催され、初めて柔道が正式競技に採用された東京オリンピックともあいまって、翌1965年にかけて爆発的にヒットした。発売から半年足らずで180万枚以上を売り上げる大ヒットとなったが、これはひばりの全シングルの中で最高売り上げ記録となっている。柔道の総本山「講道館」を描き、日本電波映画が製作し日本テレビ系列で1964年から1965年にかけて全3シリーズが放送されたドラマ『柔』、『柔一筋』、『続・柔』の3つのシリーズ全てで本楽曲が主題歌として使用され、その名の通り「柔道」をテーマとした曲である。冒頭部分の「勝つと思うな、思えば負けよ」という歌詞は、吉田兼好が書いた「徒然草」に双六の名人の言葉として出てくる「勝たんと打つべからず、負けじと打つべきなり」がベースになっているという。
ひばりがステージなどで本曲を歌唱する時は、男装して歌うことが多かった。