アカシアの雨が止む時

西田 佐知子(本名:関口佐智子。1939年1月9日 - )

 愛称は「さっちん」。夫はテレビ司会者の関口宏。
大阪府大阪市城東区生まれ。帝国女子高等学校(現:大阪国際滝井高等学校)卒業後、西田佐智子の名で歌手デビュー。かつて美空ひばりを育てたマネージャーは、西田佐智子の美貌と歌唱力に目をつけ、コロンビアにスカウト。「第二の美空ひばり誕生」という宣伝で「浪花けい子」の名で売り出そうとした。ところが同じコロンビアの美空ひばりが「第二の美空ひばりがいるなら、第1の美空ひばりは無用でしょう。やめます」とごねたので、結局、「浪花けい子」の名前でのデビューは中止になった。

 「コーヒールンバ」と「アカシアの雨がやむとき」はほぼ同じ時期の歌であるが、「アカシアの雨がやむとき」は60年安保の世相を表現するテーマ曲のように扱われている。1960年1月の「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」調印を発端とした安保闘争、反対運動の成果ゼロという結果に疲れた若者たちが西田佐知子の乾いたボーカルと廃頽的な詞に共鳴し、歌われるようになった。そのためテレビ番組では当時の世相を反映する楽曲として、安保闘争(とりわけ樺美智子死亡による抗議デモ)の映像で流れることがある。その物憂げな歌声は、当時の映像のBGMで使用されることが多い。「NHK紅白歌合戦」では第12回に「コーヒールンバ」で初出場をし、翌年の第13回で「アカシアの雨がやむとき」が初披露された。