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昭和25年7月、「東京キッド」は当時13歳だった美空ひばりが主演し、ひばりが「師匠」と慕っていた川田晴久との共演を果たした松竹映画「東京キッド」の主題歌として製作された。明るく楽しいリズムの曲と映画が共に大ヒットし、戦後混乱期の日本人に夢と希望を与えた。「キッド」とは「子供、若者」という意味であり、本楽曲のタイトルは「東京の街の子」という意味がある。「チューインガム」、「フランス香水」、「チョコレート」など舶来のものが歌詞に多く含まれており、戦後間もない頃は斬新なものだった。また「東京キッド」には孤児(みなしご)の意味もふくまれ、美空ひばりが15歳までの映画は戦争で孤児になった役柄がほとんどである。これも当時の世相を映している。
「東京キッド」は当時「天才少女歌手」と呼ばれた美空ひばりの初期の代表曲として知られており、本曲は美空ひばりの全シングルの売り上げランキング第9位になっている。また、「悲しき口笛」などのヒットで当時売れっ子となっていたひばりの人気を不動のものにした。作詞:藤浦洸、作曲:万城目正、編曲:仁木他喜雄である。