看護師殺害事件

【看護師殺害事件】昭和47年(1972年)

 昭和47年5月16日朝、東京都足立区西新井にあるアヤメ病院(精神科病院、大石アヤメ院長)で当直をしていた看護師・常田志津ゑさんがベッドの上で死んでいるのが発見された。常田さんは両手両足を縛られ、タオルでさるぐつわをされ、呼吸困難による窒息死とされた。西新井署は統合失調症で入院していたA(36)とB(42)、アルコール中毒で入院していたC(36)の3人が前夜から行方不明だったことから、この3人が常田さんを殺害、出入り口の鍵を奪って逃走したとみて行方を追った。3人は同日中に発見され逮捕された。

 アヤメ病院は患者の社会復帰のため、軽症患者に小学生向け雑誌の付録の袋詰め作業をさせていた。3人の供述によると、Cは作業をサボることが多く、看護師によくしかられていた。犯行の動機は、その日作業をサボっていたCに、常田さんが「今度サボったら電気ショックをかけますよ」としかり、そのことに腹を立ててのことであった。Cは退院の近かったAとBを誘って看護師室に行き、Cが薬をもらっている間に、AとBがすきを見て常田さんの両手足を縛り、さるぐつわをして、結果的に死に至らしめた。