スーザ「星条旗よ永遠なれ」


世界が愛したキング・オブ・マーチ

アメリカ合衆国の公式行進曲である「星条旗よ永遠なれ」

マーチ王スーザのマーチ愛に迫る!

 

マーチ王の子どもたち

この曲を書いたのはアメリカの作曲家ジョン・フィリップ・スーザ。138ものマーチを作り「マーチ王」と呼ばれました。スーザはマーチを自身の子どものようだと語っています。「豊かな低音の響きで、上から観客を包み込むような楽器を作りたい。」と理想のマーチのために新たに楽器まで作ってしまいました。テューバの仲間を改良したその名も「スーザフォン」。現代の吹奏楽でもおなじみの楽器の一つになっています。マーチへの熱い愛から生み出された「子どもたち」。今の世にも、しっかり受け継がれているんですね。

 

「民衆の 民衆による 民衆のための曲」

「星条旗よ永遠なれ」はアメリカ合衆国で1987年に「公式行進曲」として制定され、国歌と並び人々の心に根付いている曲。この作品が作られたのはスーザが42歳の時。ヨーロッパから帰国する船の中でアメリカ国旗が脳裏にうかんだという、祖国への熱い思いが込められています。この作品を有名にしたのが、スーザが結成した「スーザ・バンド」。スーザは指揮者として、各地でコンサートを行っていました。そのコンサートは1曲終わるごとに、アンコールを行うという少し変わったスタイル。そして、そのコンサートで必ず演奏されていたのが「星条旗よ永遠なれ」でした。次々に演奏されるアンコールに観客は大喜び。次第に、お客さんたちはこの曲が始まると、立ち上がって聴くようになったそう。

 

マーチde アメリカ気分

スーザは曲の後半にアメリカの3つの地域をイメージしたと言っています。メインメロディーは北部、ピッコロの旋律は南部、力強いトロンボーンのメロディーは西部。この3つを同時に響かせることでアメリカを表現している。時代は南北戦争の記憶がまだ薄れていない頃。スーザはアメリカ国旗の下にみんなで一つの集まろうというメッセージを込めたのかもしれない。