エルガーの「威風堂々」


めげない男が書いた応援歌

卒業式や入学式などで、スポーツの応援歌として耳にする機会の多いこの曲。この曲を聴くと「前向きな気持ちになり、元気が出る。」・・・それはなぜなのか?

その謎を3つのキーワードでひもとき、魅力に迫ります。

 

 威風堂々

永遠の応援歌

Jリーグ・浦和レッズの応援歌として、また、卒業式や入学式で演奏される事の多い『威風堂々』は、勝負の前や新たな旅立ちを迎えた人々にエールを送る曲として広く愛されています。さらにJ-POPのアーティストたちもこの曲に歌詞をつけて歌っていますが、どれも前向きな内容で「人々を応援する曲」となっているのです。

1901年に作曲された「威風堂々」は、軍隊風の勇ましい行進曲で、作曲

された当時、新国王エドワード7世がとても気に入り、歌詞をつけるよう

助言。多くの人々に歌われ、愛される曲となりました。

作曲したエルガー自身が「作曲家とは吟遊詩人 歌で人々を鼓舞する」と

友人に語ったように、「威風堂々」は作曲から100年の時を越えて、今なお人々を鼓舞し続けている曲なのです。

 

めげない男

楽器店の息子として生まれたエルガー(1857-1934)は、10歳で作曲を始めますが、専門の音楽教育を受けるほどの経済的余裕はなく、楽器の演奏も作曲も独学。地方都市で音楽の家庭教師をしながら地道に作曲活動を続けました。結婚を機にロンドンに移り住みますが、作曲家としての成功を収めることは出来ず、失意の中、故郷に戻ることになります。

しかし、めげない男エルガーは、妻に支えられ、創作意欲を取り戻し、作品を次々と生み出します。そして、1899年、変奏曲「謎」のロンドンでの演奏会が大成功を収め、エルガーは42歳にして、一流の作曲家として世の中に認められました。

さらに、1901年に作曲した「威風堂々」で大衆的な人気も得て、国民的作曲家となったのです。めげずに前を向いて生き続けた男・エルガーが書いた応援歌、それが「威風堂々」なのです。

 

秘密はアゲアゲ

「威風堂々」には、気分を盛り上げずにはいられない、「アゲアゲの秘密」があります。その秘密を、3つのキーワードで、加羽沢美濃が解説。

そのキーワードは、①突然の変化でアゲる。②思いっきりアゲる。③じらしてアゲる。

これらの仕掛けで、私たちは、知らず知らずのうちに気分をアゲていたのです!