ホックニー

デイヴィッド・ホックニー

 ホックニー(1937年7月9日 - )はイギリスの現代芸術を代表する1人である。現在はロサンゼルスを拠点に活動している。イギリスのブラッドフォードに生まれ、ブラッドフォードとロンドンの美術学校で学ぶ。美術大学在学中に「若手現代芸術家展」に出展し、その後ポップ・アート運動に参加する。

 1963年にニューヨークを訪れ、翌年ロサンゼルスで、当時まだ比較的新しい画材であったアクリル素材でプールを描いた作品群を制作する。

 ホックニーの作品は、アメリカ西海岸の明るい陽光を感じさせる華やかな色調で、室内風景、プールのある邸宅、人物などを描いたものが多い。ホックニーは自分を「偽の素朴派」と呼んでいて、ホモセクシャルや上流家庭の生活を明るく透明感に描いている。アクリル絵具という素材の特徴を生かし、アメリカ西海岸の乾いた空気や光やプールの水を、日常の風景として表現している。油彩のほかクレヨン画や、数十枚のスナップ写真を貼り合わせたフォト・コラージュの作品に優れたものがある。また、スカラ座やメトロポリタン歌劇場などのための舞台芸術も多く手がけている。

 ロサンゼルスを拠点に制作を続けているが、しばしば世界中を旅行しロンドン、ニューヨーク、エジプト、中国にも長期滞在したことがある。イギリスの勲章のコンパニオンズ・オブ・オーナー勲章やメリット勲章を受章している。