ツィマーマン

クリスティアン・ツィマーマン(1956年 〜)
 1956年、ポーランドに生まれる。ツィマーマンは幼少期、家に置かれていたグランドピアノの蓋を開けて毛布をかぶせ、インディアンのテント遊びをしていたと語っている。5歳の頃、父からピアノを学び、7歳からアンジェイ・ヤシンスキに師事した。1973年のベートーヴェン国際音楽コンクールで優勝、1975年の第9回ショパン国際ピアノコンクールで史上最年少(18歳)で優勝している。ショパンコンクールで優勝したことで華々しいデビューを飾り、カラヤンやバーンスタインなどから絶賛されたほどの素質をもっている。
 1981年、ポーランドが戒厳令を発したのを契機に、スイスに移住。1996年にはスイスのバーゼル音楽院の教職に就き、後進の指導にもあたっている。
 ツィマーマンは公演で演奏するレパートリーに合わせて自分のピアノを入念に調整し、それを世界中のホールに運搬し持ち込んで演奏することで知られている。さらに公演にはピアノ調律師を同行させ、ピアノを会場のホールに合わせて調律するなど、音の響きのコントロールに対し比類のない情熱を傾けている。レコーディング技術や音響学に対する造詣も深く、自分でスタジオを建設したこともある。また演奏に対する完璧な姿勢から、リサイタルで弾くまでに10年の年月をかけて曲を準備するとされている。
 初来日は1978年で、以後計100回を越えるリサイタルを重ね、日本の聴衆を魅了し続けている。日本での人気は年々高まっていて、東京で長い時間を過ごしている。