ホロビッツ

ホロヴィッツ(1904~1989) 
 ウクライナ生まれのアメリカのピアニストで、人間業を超えた極上のテクニックを持ち、卓越した表現力から20世紀を代表する天才ピアニストとされている。ヴァイオリニストのハイフェッツと同様、人間業を超えたテクニックの持ち主だった。
 6歳の時に、すでにピアニストとして完成していたとされ、全盛期の演奏は鬼気迫るもので、テクニックは悪魔的な鍵盤の魔術師に例えられた。超絶技巧テクニックに加え、ピアノを歌わせるように弾くピアニストだった。
 昭和58年に初来日した際、世界的大ピアニストの生演奏が聴けるということで、チケットは5万円もしたが即日完売となった。しかし天才肌のピアニストではあったが、年齢には勝てず、テクニックも表現力も衰えがひどかった。「ひびの入った骨董品」と揶揄され、日本の聴衆の期待を裏切ることになる。 
 ちなみに大指揮者トスカニーニの娘と結婚している。この義父とのコンビ共演は、音は古いが超人的な演奏で残されている。